BtoBマーケティングとBtoCの違いとは?購買プロセスの違いから施策を考える

2020年8月14日 BtoBマーケティング

btob btoc

マーケティングは大きく分けてBtoCとBtoBの2種類。これらの購買プロセスは明確に違うと考えられており、それぞれのビジネスタイプによって留意すべきポイントも異なります。今回はBtoBとBtoCの購買プロセスの具体的な違いや、変化させるべきポイントあるいは共通するポイントについて解説します。

1.BtoBとBtoCの違い

BtoBはBusiness to Businessの略で企業間取引を指します。BtoCはBusiness to consumerの略で、一般消費者を対象としたビジネスモデルです。たとえばBtoBの場合は企業が業務利用するシステムを導入する場合などが該当するでしょう。

BtoCの場合は普段購入している日用雑貨や、大きなものでいうと住宅などを購入する場合が該当します。一般的にBtoBの方が商材の検討期間が長く、意思決定者が複数いるという特徴があり、BtoCの方は検討期間が比較的短く、意思決定者も少ないといわれています。ではそれぞれの購買プロセスの具体例を見ていきましょう。

2.BtoCの購買プロセスの具体例

BtoCの場合の購買プロセスを具体的に紹介します。

①日用雑貨の場合
たとえば日用雑貨の場合は下記のような購買プロセスが考えられます。BtoCの場合は、たとえ指名買いだったとしてもスイッチングコストが低く、その場で衝動買いするケースも少なくありません。この例でいうと意思決定者は夫と妻の二人になります。

(1)シャンプーが切れていると妻にいわれる
(2)シャンプーを買いに夫がコンビニにいく
(3)いつも使っている商品がない
(4)違うコンビニまたはドラッグストアにいく
(5)それでもなければ違うやつを試してみる


特徴:
スイッチングコストが低く、意思決定者は2名
検討期間は短い、または即決

②住宅の場合
住宅の場合はもう少し状況が異なります。この例では住宅に住まう夫婦以外にも、資金を提供する両親もステークホルダーとして、その意思決定に関与します。

(1)子どもも少し大きくなったのでそろそろ家を買うことに
(2)エリアや条件などを夫と妻で細かく話し合う
(3)費用については一部両親に負担してもらうことに
(4)物件情報サイトで情報収集
(5)複数の物件を内覧
(6)営業から詳しい案内をうける
(7)両親にも相談のうえ物件を決める


特徴:
検討期間が長く、意思決定者は2名だが両親も関与する

③趣味、嗜好品の場合
個人的な趣味嗜好品の場合は、基本的に意思決定者はひとりになることが多いでしょう。即断即決で衝動買いするケースも非常に多くなります。

(1)キャンプで使うランプが古くなったので買い換えることに
(2)SNSやECサイト、専門情報サイトで情報収集
(3)YouTubeでも口コミを調べ、商品を決める
(4)ECサイトで商品を検索しさらに安くてイイ商品がみつかる
(5)もともと決めていたブランド以外の商品を購入


特徴:
意思決定者はひとり。指名検索からの衝動買い。

3.BtoBの購買プロセスの具体例

BtoBの場合の購買プロセスは下記のようなものが考えられます。

①部門で使うITツール
部門で使うITツールの場合、BtoCに比べ検討期間は長く意思決定者も複数います。ただし部門長自身がその意思決定に深く関与することは少なく、どちらかというと担当者の意向が選定に反映されやすい特徴があります。

(1)定例会等で起案者が提案
(2)インターネットで情報収集
(3)資料を取り寄せ比較する
(4)営業担当からデモをうける
(5)起案者が部長に稟議書をあげる


特徴:
検討期間が長く、意思決定者が複数
ただし担当の意向が強く反映されやすい

②全社で導入する基幹システム
全社で利用する基幹システムのような大きなシステムの場合、意思決定者は非常に多くなるとともに、利用ユーザーも多いため利害関係者が複数の部門にまたがります。その場合は担当者の意向で決まることもほぼなく、ステークホルダーの意向を調整しながら最適なシステムを検討していくことになるでしょう。

(1)トップダウンでシステム導入プロジェクトが発足
(2)プロジェクトメンバーがアサイン
(3)インターネットで情報収集
(4)資料を取り寄せ比較する
(5)営業担当からデモをうける
(6)複数部署へヒアリング
(7)稟議をあげるための情報をまとめる
(8)経営者にプレゼンテーションを行う


特徴:
検討期間が長く、意思決定者以外に利害関係者が多い
担当の意向だけでなく、ステークホルダーの意向を調整する必要がある

③担当サービスのプロモーションを依頼する広告代理店
自分が担当するサービスの広告代理店を選ぶ場合は、検討期間が一定期間必要なものの担当の一存で決まることが多いでしょう。部門長や他の部門がその意思決定に深く介入することは少ないといえます。

(1)インターネットで情報収集
(2)営業担当からプレゼンテーションをうける
(3)比較検討する
(4)部長に稟議をあげる


特徴:
検討期間は長いが、基本的に担当の一存で決まることも多い

4.BtoBは「合理的」なのか?

こうして見るとBtoBとBtoCではその検討期間や、意思決定者の人数に明確な違いがあるとわかります。ただしBtoBの商品がすべて合理的に意思決定されるかというと、必ずしもそうではなく影響範囲やプロジェクトの起点(トップダウンかどうかなど)によって、担当者の影響力が強く出るケースと担当者の一存では到底決まらない場合が存在します。BtoBビジネスであったとしてもすべてが合理的に意思決定がされるわけではありません。

5.BtoBマーケティングの場合に留意すること

BtoBマーケティングを行う際に、留意することとしてどのようなものがあげられるでしょうか。ここでは下記の2点に絞って解説します。

①ステークホルダーが複数いる
ステークホルダーが複数いることは、意思決定を進めるために客観的かつ合理的な説得材料が必要です。大きな企業や大きなプロジェクトになればなるほど、責任の所在が曖昧になりがち。担当者がリーダーシップを持ちシステム導入に至るケースもありますが、まれでしょう。

そんなときに有効なのが導入事例や導入実績、比較表といったエビデンス。これらの資料は意思決定プロセスや稟議プロセスで利用されることも多く、ステークホルダーが複数存在しなかなか決まらない場合などに有効です。

②意思決定はエモーショナルに行われるケースも多い
たとえBtoBであったとしても、広告代理店であったり担当者が直接頻繁に利用するようなシステムやサービスの場合は、個人の意思が強く影響をうけるケースが多くなります。なぜならサービスを利用する対象が担当者本人であり、その利便性が担当者本人の営業成績であったり目標達成に深く関与するからです。

営業担当のレスポンスの良さや、柔軟な対応力などが総合的に評価され、サービスの導入に至るケースも少なくありません。BtoBであっても個人を対象としたカスタマーエクスペリエンスの設計や演出が重要になるでしょう。

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