調査PRをBtoBマーケティングに活用する方法とリリースのコツ【事例あり】

2020年4月9日 BtoBマーケティング 調査リリース

調査PR

新型コロナに関する調査リリースが増えています。直近ではジャストシステム社がリモートワークに関する調査を発表しました。BtoC、BtoB問わず大きな関心ごとだということでしょう。私は事業会社にて累計500本以上の調査PR、それもリード獲得施策としての調査を行ってきました。本記事では、これまでの経験をもとにBtoBのリード獲得施策という観点から、調査PRについて解説していきます。

調査PR(プレスリリース)とは

PRとはプレス・リリースの略です。そして調査PRはとアンケート調査などの調査結果を、プレスリリースで配信することです。BtoBマーケティングでも活用されるシーンが増えてきたように思います。企業が自主的に調査を行い発表するので「自主調査」と呼んだりもします。

通常、PRは新商品やサービスあるいはキャンペーンの告知で行うことが多いのですが、調査PRならでは効果が期待できます。よく言われるのは「空気感の醸成」です。たとえば、「リモートワークは企業の生産性を高める」といったアンケート結果を発表し、それがさまざまなメディアで取り上げられれば、「リモートワークの必要性」という一種のムード作りができます。クラウドのITツールを提供する企業などは現にそのような調査をバンバン出しています。

調査PRの効果について、もうひとつ言われるのは「直接的なマーケティング効果は期待できない」という話です。ですが、BtoBに限れば実はそんなことはありません。なぜなら、「調査レポート」というものはコンテンツであり、それ自体がさまざまな形のコンテンツマーケティングに活かせるからです。

事実、私も事業会社でBtoB商材のマーケティングを行っていた際には、自主調査だけで年間6,000件以上のリードを生み出していました。

というワケで今回の記事では、私の体験談もまじえながら、調査PRについてコンテンツマーケティング的視点で詳しく解説していきたいと思います。

調査PRのメリット

上述のとおり、調査PRはBtoBのリード獲得に活かせます。具体的にどのようなメカニズムでそれが効いてくるのか、もう少し詳しく解説します。

・メディア掲載による認知拡大

調査PRは通常、プレスリリースがセットになります。自社の広報が行うこともあれば、PRTIMESなどのプレスリリース配信ツールなどを利用するケースもあります。リリースを行うことで、関連メディアに掲載され露出が増えます。さらに大手メディアの中にはヤフーやスマートニュースなどのニュースサイトと連携しているものもあり、そこに転載されるとさらに露出が増えます。

調査PRイメージ


・新規リードの獲得

露出が増えることで、自社サイトへの流入が増加します。メディアから直接リンクが張られることもありますし、社名検索等で引っかかってくることもあります。私の場合はレポートを閲覧するために、個人情報の入力フォームを設けていました。調査レポートを見たい、というターゲットが自社サイトに流入し、ダウンロードフォームに入力することでリード獲得ができます。

・メール配信等、各種コンマケ施策への二次利用

さらに、プレスリリースをしたあとのコンテンツは自社リストへのメール配信にも使えます。また、外部メディアや資料ダウンロードポータルに掲載すれば、そこでまた新たなリードを獲得することができます。コンテンツは、一度配信して終わりではなく、さまざまなチャネルで使い倒すと費用対効果もよくなります。

・外部リンク獲得、サイテーションの獲得

メディアに調査PRが掲載され、自社サイトにリンクが張られると外部リンクの獲得につながります。質のよい外部リンクはSEO対策になります。また、少し難しい概念ですがSEOにはサイテーションというものがあります。リンクが張られていなくても、記事が掲載され自社名が紹介されることで被リンクに似た効果を得ることができます。まあ、副次的な効果ですので、過度な期待はできませんが。

・ソートリーダーシップの獲得(権威性)

定期的に調査PRを行うことで、特定ジャンルでの権威性(=ソートリーダーシップ)を獲得できることもあります。たとえば、最新のSNS利用率を見るならここ、といった具合です。同じ調査を定期的に行う「定点調査」を実施すれば、月次や年次で推移を比較することもできるので、より「引き」のあるタイトルが作成できます。

たとえば、「人材マネジメントツール」を提供する企業の場合はこんな調査が考えられます。

例:働き方改革と人事部門の業務負荷に関する調査

このようなテーマのタイトルで調査を実施し、PRを行うことによって「人事部門」つまり見込み顧客のリード獲得につなげることができます。テーマやタイトル次第にはなりますが、TVなどのマスメディアで調査が取り上げられるケースもあります。

私の場合は調査リリースを毎週配信することで1リリースあたり200件から多いときで500件以上のリードを獲得していました。中には「ヤフートピックス(ヤフトピ)」に掲載され、一時的にWebサイトの流入が爆増した例もあります。ただし、消費者向けメディアから大量の流入があったとしても、BtoBのリード獲得に直結するわけではありませんので、あえてそこを狙う必要はありません。

調査PRの事例

では、具体的にどんな調査がPRとして配信されているのか、事例をいくつか紹介します。PRTIMESなどで「調査」と検索するとたくさん出てきます。コンテンツマーケティングで参考になりそうなものをピックアップしましたので、参考にしてください。

①リモートワーク経験者2割、制度の有無がその会社で働くことを選ぶ決め手にも[ジャストシステム調査]

ジャストシステム調査PR

毎週のように自主調査を発表しているジャストシステムさんのリモワに関する調査です。リモートワークの制度があるかないかが「働く決め手になるか」というタイトルはなかなかエッヂが効いています。企業の人事、経営企画、人材会社などのリードがとれそうですね。CTAは資料DLフォームとなっています。

②新型コロナで機会が奪われる就活は「会社説明会」 =マイナビ調査=

マイナビ調査

マイナビさんの調査です。こちらも人材系なので、企業の人事担当(特に新卒担当)が興味を持ちそうなテーマです。運営する「新卒採用サポネット」への導線となっており、そこでは他にもさまざまなお役立ち資料を閲覧することができます。

③【Backlog総研/調査リリース】IT業界テレワークの導入率、緊急事態宣言を機に85%に増加。捺印業務の簡素化やペーパレス、セキュリティ面の見直し等が進み利用率も向上。

バックログ調査

コラボレーションツールを提供するヌーラボさんの調査です。Backlogというツールを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?「IT業界」と業界セグメントを切っているところが、コラボレーションツールを提供する同社らしいところですね。導入事例等への導線がおかれています。ちなみに導入事例はかなりがっつり紹介されているのでとっても参考になります。

④キャッシュレス決済の利用割合は現金より上回っている!? 「激動のスマホ決済の今がわかる調査」

MMD調査

モバイルに関する日本最大級の調査期間であるMMD研究所さんのリリースです。2019年の消費増税からキャッシュレス決済の利用は増加し、コロナ禍においてさらにそれが加速しました。独自の切り口で詳細な分析が行われています。調査データの詳細は会員登録をすることで閲覧できるようになっています。

⑤BtoBマーケティング担当者の6割がオウンドメディアに対して前向き、3割が開始から1年で成果を実感したと回答

Basic調査

マーケター向けメディア「ferret」を運営するベーシックさんがオウンドメディアに対する調査リリースです。結構、いろんなブログやセミナーなどで引用されており、ブランディングにつながっています。

⑥【マーケティング人材に関する調査】9割以上のマーケターが社内の人材不足を実感

株式会社BLAM

BLAM調査

副業マッチングサイト「カイコク」を運営しているBLAMさんの調査です。タイトル以外にもおもしろい結果が出ていて、「こんなコンサルはいやだ」とか「こんな顧客はいやだ」的なあるあるネタもあります。営業資料にも使えるんじゃないでしょうか。

事例からおわかりいただけるかと思いますが、各企業とも自社の事業ドメインやターゲットを強く意識した調査を行っています。CTAや導線は企業によってまちまちです。資料DLフォームなど、必ずしも直接的なCTAを設ける必要はありませんが、どれくらい効果があったのかを振り返るためにも、何かしらのKPIは設けた方がよいでしょう。

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調査PRのやり方、進め方

調査PRのイメージがわいたところで、具体的な手順を紹介します。必ずしもこの手順でなくてもいいですが、勘所は押さえておくと効果的な調査PRが行えます。

①ターゲットを決める

事例を見ていただいたとおり、まずはターゲットを明確にしましょう。コンテンツマーケティングで最も重要なパートです。業種、部署、役職、年齢などその調査で具体的に狙いたいターゲット像を決めます。ホワイトペーパーの作成方法の記事でも触れていますのでそちらも参考にしてみてください。

②仮説を立て、テーマやタイトルイメージを決める

ターゲットを決めたら、次にテーマやタイトルを決めます。私は先にタイトルから入っていました。一般的な市場調査と異なり、コンテンツマーケティングのひとつですので、ターゲットの興味関心を得られそうなタイトルを検討します。

③トピックスのイメージを決める

具体的にどのような結果が出るのかという仮説をもとに、「想定トピックス」を考えます。つまりその調査でどんなメッセージを伝えたいかということです。トピックスをもとに調査設計を行いますので、とても重要です。

たとえば下記のようなイメージです。具体的な数値も入れるとなおいいでしょう。

例1:リモートワークでのストレス、1位は「ネットワークの遅さ」

例2:ネットワークが遅い原因、半数以上が「よくわからない」

④設問案を作成する

トピックスの内容をもとに、設問案を決めます。トピックスは「何を伝えたいか」ですが、設問案は「どう聞くか」です。たとえば上述のトピックスをアンケートの結果として出したいなら、下記のような設問が必要になります。

Q1.リモートワークを行っているか

Q2.リモートワークでストレスを感じているか

Q3.リモートワークでストレスを感じる理由は何か

Q4.ネットワークが遅い原因は何か

⑤調査票を作成する

設問案まできたら、あとは調査票の設計です。設問の種類にはいくつかありますが、あまり複雑に考えずなるべくシンプルな調査票設計を心がけると、スムーズです。最低限押さえておきたい設問の種類は下記の2種類です。

SA:シングルアンサー。複数の選択肢からひとつだけ選ぶタイプ。

MA:マルチアンサー。複数の選択肢から複数を選ぶタイプ。

上述の設問案を調査票におこすとすると、下記のようになります。

Q2:タイプ/SA
設問文:あなたはリモートワーク環境下で業務を行う際に、ストレスを感じたことがありますか?

選択肢:ある/ない

Q3:タイプ/MA

設問文:あなたがリモートワーク環境下での業務にストレスを感じる理由であてはまるものをお選びください。

選択肢:ネットワークが遅い/コミュニケーションがとりづらい/ツールの使い方がわからないetc…

Q2はシングルアンサーで、Q3はマルチアンサーになっています。誰に何を伝えたいのか、が明確になっていないと設問文と選択肢が作れませんので、上流工程はやはり重要です。

⑥アンケートを配信する

調査票ができたら、対象者にアンケートを配信します。最近はインターネットを使って簡単にアンケートができるようになりました。アンケートモニタを活用すれば早ければ1日ぐらいで結果があつまるときもあります。

⑦集計、分析を行う

アンケートの回収が終わったら、結果を集計し分析します。ほとんどのインターネットリサーチでは集計ツールがついていますので、簡単に集計することができ、グラフも自動的に出力できます。もちろん、軸を変えたアドホックなクロス集計も簡単です。

⑧リリース文を作成する

集計結果をもとに、リリース文を作成します。リリースの書式などは他社のプレスリリースを参考にしてもかまいません。基本的には、日付、タイトル、トピックス、調査概要(対象、調査期間、調査手法)、問い合わせ先が入っていれば問題ありません。

⑨リリースする

リリース文を作成したらいよいよ調査をプレスリリース配信します。プレスリリースは広報などが持っているリストに送付することもできますが、PRTIMESなどのプレスリリースツールを使うと、より多くの記者にリーチできるので効果的です。

⑩結果を分析する

調査PRを配信したら、必ず結果を分析しましょう。BtoBマーケティングで行う場合は、下記のような指標になります。

・記事掲載数

・Web流入数

・リード獲得件数

・リードの訪問率など営業指標

ちなみに、配信スケジュールについてですが、私は下記のようなサイクルで回していました。毎週やっていたので、同時進行です。

1週目:

月曜:調査テーマ検討MTG(編集会議)

火曜:調査票設計

水曜:調査配信開始

2週目:

月曜:集計、リリース文、レポート作成

火曜:社内チェック

水曜:プレスリリース

月曜日は休み明けでたくさんのメールに埋もれてしまうので、避けました。また、金曜日は記者にリーチできたとしても掲載が翌週以降になるか後回しにされるので、優先順位を下げていました。なので、基本的に火曜~木曜のなるべく午前中に配信しました。午後でもいいのですが、午前中だと最速当日中にメディア掲載される可能性もあります。

調査PR、リリース作成のコツ

私はこれまで500本以上の調査リリースを実施してきました。その体験の中で得られたコツをいくつかご紹介します。

①メディアを意識する(コンテンツデリバリー)

調査PRを施策として実施する際には、獲得したいリードをターゲットとして想定します。しかし、もうひとつ抑えなければならないターゲットが存在します。それが「メディア」です。自社に十分なメールプール(メール配信先)があったり、SNSのフォロワーがたくさんいる場合はあまり必要ないかもしれませんが、調査PRはメディア掲載によって流入が生まれます。

コンテンツマーケティングって作成して終わりではなく、その後の配信方法、つまり「コンテンツデリバリー」を常に意識しなければいけません。私の場合は自社広報、PRTIMES、メール、オウンドメディア、SNSとあらゆるチャネルに投稿しました。

その中でも一番影響度合いが高いのがメディア掲載でした。「そのネタはメディアに取り上げられそうか」を意識するようにしましょう。

②テーマ、タイトルを先に検討する

一般の市場調査は「明らかにしたい対象」から入りますが、調査PRはテーマやタイトルいわば「ネタ」から考えます。私の場合は日常生活の中で疑問に思ったことなどをネタ帳にメモっていました。のちの調査設計に大きく影響するので、先にタイトルから具体的に考えるようにしましょう。

とはいえ、調査は水ものです。思った通りの結果にならないこともしばしばあります。そのときには、もともとあった仮説やネタに固執することなく、結果から言えることを素直にリリースするのがよいでしょう。変に複雑なクロス集計をすると、手間ですしリリース文も回りくどくなってしまいます。

③世の中ごとを意識する

メディアを意識するという話をしましたが、記者のもとには毎日やまのようにプレスリリースがきます。当然、いちいち詳しく目にとめている暇はないでしょう。そんな中でピックしてもらえるコツとして「世の中ごとを意識する」というのがあります。

メディアの顧客は消費者ですので、消費者の関心ごと=メディアが取り上げたいテーマであるはずです。BtoBマーケティングにおいても、この視点は重要です。いち消費者、あるいはいちビジネスマンとして今何が知りたいのかを考えてみるとよいと思います。

社会的に話題になっていることや季節性も大切です。働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)、今は猫も杓子もリモートワークです。たとえば、本記事の執筆時点で「お?」と思った調査リリースを紹介します。

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休校期間の中高生の学習実態に関するアンケート

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新型コロナをきっかけとした世の中の「変化」と捉えたアンケートは数多く発表されています。こちらの調査結果は休校という社会的変化をきっかけとした、「オンライン授業」への興味の高まりを明らかにしています。発表したのはZ会グループです。世の中的にも大学の9月入学など、教育改革へと意識が向けられはじめています。個人的にも、教育現場のICTの利用がもっと進めばいいなあと思っています。

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「巣ごもり」と「おうちピクニック」という言葉が端的に現状を表していていいなと思いました。地域によって好きなおにぎりの具材が違うという視点もおもしろいです。エイチームさんは頻繁に調査PRを配信されているので、フォローしておくと参考になります。

④切り口を変えてみる

同じようなテーマでも切り口を変えてみると、ガラッと印象が変わります。調査リリースは年々増加しています。もう溢れていると言ってもいいでしょう。そんな中で、目を引くためには「独自性」が重要です。年齢や性別、居住地以外にもいろいろな切り口が考えられます。

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⑤調査票作成時の聞き方に注意する

テーマや切り口は大事ですが、あまりにもそれを狙いすぎれば恣意的な調査になってしまいます。メディア側はある意味「調査慣れ」しているので、バイアス(先入観)のかかった調査PRは取り上げてもらえない可能性があります。アンケートの聞き方次第で回答内容も変化しますので、なるべく回答者がニュートラルに回答できるような設問設計を心がけましょう。たとえば、下記のようなイメージです。

×:「〇〇というWeb会議ツールを利用していますか」

〇:「利用しているWeb会議ツールを教えてください」

上の設問文だと、回答者に〇〇というツールの利用状況を知りたいのだな、という先入観を持ちかねません。結果的に、利用率が高くなる可能性があります。下の設問文のように、「Web」ツールというカテゴリで聞き、選択肢をいくつか設けることでこうしたバイアスは避けられます。

⑥リリースタイトルの付け方

メインタイトルは最も「引き」のあるものを設定しましょう。調査PRにおけるタイトルのコツは下記です。

・数字を入れる

アンケート調査は定量調査です。割合などの数値で結果が出せることが特徴ですので、なるべくタイトルには数字を入れましょう。

・数字が単調にならないように表現を変える

数字を入れる際にはなるべく単調にならないようにしましょう。たとえば、半数や5割、2分の1といった形でトピックスごとに使い分けるとよいでしょう。

・具体的な社名やツール名を入れる

利用率ランキングなどは、具体的な社名やツール名が入っているとより興味を引けます。その時々に話題になったツールを題材に調査をするのもありです。今だと「Zoom」でしょうか。

・キャッチーなワードを使う

「巣ごもり消費」といったキャッチーなワードはメディアの目も引きやすいです。ただし、あまり狙いすぎるのは逆効果です。基本的にメディアは自社でタイトルをつけますので、「狙いすぎ」は忌避される傾向にあります。

・メールのタイトルになることを意識する

リリースタイトルをメールタイトルとして利用することを意識しましょう。PRTIMESなどのPR配信ツールでは、通常リリースタイトルが記者へのメールタイトルになります。つまり、開封率に直結します。

・トピックスを複数用意する

私の場合は常に4件~5件ぐらいのトピックスを用意するようにしていました。タイトルがひとつだとそれが刺さらなければ終わりです。複数設けることで、とっかかりを多くできます。

⑦プレスリリースのタイミングに注意する

プレスリリースのタイミングもしっかり意識しましょう。進め方の章で述べましたが、リリースするタイミングは掲載数に影響します。たとえば下記のようなことは意識しした方がよいでしょう。

・月曜と金曜は避ける

・サービスや商品が同じなら、配信ペースは多くても週1回ぐらいのペースで配信する

・ときにはスピードも重要。「旬」を逃すと転載はされない

・午前中に配信する。昼休みのメール処理に滑り込める

私の場合は基本的に水曜か木曜の午前中に配信をしていました。

⑧効果を分析、測定する

KPIを決め、効果を分析して施策の再現性を高めましょう。マーケティング施策としたやるならば、効果測定は絶対です。下記のようなKPIを設定し、効果測定をしましょう。

・掲載数

・掲載媒体

・流入数

・SNS拡散数

・CV数

できれば、リリースごとに分析するとどのタイトルが刺さったかという分析もできます。加えて、リードの内容も見ることをお勧めします。狙ったターゲットが獲得できているのかという視点でコンテンツの評価ができるからです。こうしたPDCAサイクルを回すことで、さらに精度があがっていきます。

BtoBで調査PRを行う際の注意点

BtoBの調査PRの調査対象はさまざまです。たとえば上述の中高生の調査のように、一般消費者を対象に調査をすることもあります。この場合、ICT教育用のツールベンダーが学校などの教育機関へ訴求するための調査PRとして活用することができます。つまり、ターゲット企業そのものではなく、ターゲット企業のユーザーを対象にするということになります。

いっぽう、会社員やさらに人事、マーケティングといった特定職種をターゲットとする調査はサンプル数に注意が必要です。配信対象の中でどれぐらい該当者がいるかという割合を「出現率」と言いますが、これが3%を切ることもざらにあります。

消費者向けの調査は多いときで数万、少なくても1,000名ぐらいで行うことが多いですが、BtoBの場合は100名~300名ぐらい確保できれば上々でしょう。可能であれば、一度スクリーニングして抽出したリストに対して、複数の調査を行うようにすれば、調査の費用対効果もあげられます。

調査PRにおすすめのツール

最後に、調査PRにおすすめのツールをご紹介します。セルフ型のアンケート調査ツールは安価に調査を実施できるので、コンテンツマーケティングで活用するにはおすすめです。

・ファストアスク

ファストアスク

セルフ型ネットリサーチツールの代表格とも言えます。1問10円から調査が実施できます。アンケート作成画面も使いやすく、リサーチャーの審査がしっかりしているのが特徴です。

・サーベロイド

サーベロイド

こちらも使い勝手のよいセルフ型ネットリサーチツールです。アンケートモニタ数はやや少なめですので、BtoBの調査リリース、特にビジネスセグメントへの調査を実施する際には母集団が少なくなることもあります。

・キッコエサーベイ

キッコエサーベイ

アンケート調査だけでなく、集計も充実しており、特にテキストマイニングを活用したレポートなどが使えます。アンケートの操作画面はややクセがありますが、しっかりと分析したいという場合にはおすすめです。回答者モニタも上述の2社よりも多くなっています。

・PRTIMES

PRTIMES

プレスリリースの配信ツールです。私の場合、このツールを導入することでメディア掲載数が増え、獲得数を伸ばすことができました。月額7万円(年払い)ですが、ショットだと1リリース3万円ですのでまずはお試しで使ってみてもよいと思います。

調査PRならファストマーケティング

BtoBマーケティングにおいて、調査PRはコンテンツマーケティングのひとつです。ブランディングや空気感の醸成以外に、幅広いリードの獲得に活用できます。プレスリリースを配信するだけでなく、メール配信やホワイトペーパーでの二次利用などさまざまな活用方法があります。

ファストマーケティングはこれまで500本以上の調査リリースを配信、のべ60,000件以上のリードを獲得してきた実績があります

制作から効果測定まで、PDCAを回しながら効果的な調査PR施策を運用いたします。お気軽にご相談ください。

・紹介調査リリース支援:242,000円(税別)

・2回目以降:162,000円(税別)

※調査費用は別途、5~10万程度。PPTレポート。設問数15問、トピックス5件まで。

また、2020年版のBtoBマーケティング調査レポートをサンプルとして無料でご提供しております。ぜひご一読ください。


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