ホワイトペーパー作成でありがちな5つの失敗と7つのやるべきこと
1.ホワイトペーパー(eBook)とは?
ホワイトペーパーはノウハウや事例をまとめた資料のことで、eBookとも呼ばれます。近年、BtoBマーケティングもオフラインから「オンラインへの比重が増す中で、リード獲得やリードナーチャリングに活用するケースが増えてきました。ただ、ホワイトペーパーを作成しようにもなかなか思うように進まない、委託先との間のギャップを埋められないといった声もよく聞きます。今回は、ホワイトペーパーを外部委託または内部のデザイナーなどに依頼する際にありがちな5つの失敗と、そのための7つの対策をご紹介します。
ホワイトペーパーの具体的な活用方法や制作の流れについては、下記の記事でも詳しく紹介していますので、よければご参考ください。
リード獲得に役立つ鉄板ホワイトペーパー作成&活用入門【事例つき】
即パワポで使える! ホワイトペーパーテンプレート6選【デザインサンプル付き】
2.ホワイトペーパー作成においてありがちな5つの失敗
ホワイトペーパーを作成する際、スムーズに進むこともあれば、難航することもあります。早いときは1ヶ月程度で制作できますが、場合によっては3ヶ月、4ヶ月かかることもあります。あまり長くかかりすぎると、プロモーション施策に大きな影響を及ぼしてしまうので注意が必要です。
①社内の合意形成が取れない
ホワイトペーパーの作成を依頼する際にありがちなのが、「作成するかどうか」または「どのようなテーマにするか」について合意ができないパターンです。
前者の場合は、ホワイトペーパーの目的を明確にしましょう。目的には大きく分けて2つあります。「リード獲得」と「リードナーチャリング(育成)」です。どちらを重視するのか、営業チームとも相談しながら決めていきましょう。
テーマについて合意形成するには、ターゲットの「検討ステージ」と「チャネル」を意識することが重要です。全体のプロモーション計画の中で、どの層を狙っていくのかを明確にすることで、おのずとどのようなコンテンツを作成すべきかが見えてきます。
②編集者やライターの提出物とのギャップ
外部あるいは社内の編集者やライターからの企画案や構成案に対して、イメージしていたものと大きく異なるケースもあります。その場合はホワイトペーパーの「狙い」が明確になっていないことが往々にしてあります。
ホワイトペーパーの制作を依頼する際には、下記をしっかりと伝えるとよいでしょう。
- ホワイトペーパーの目的
- ターゲットイメージ(上述のステージなど)
- ターゲットが求める情報
- ホワイトペーパー読了後にどうなってほしいか(誘導先)
また制作に必要な事例やサービス紹介資料などの関連資料も漏れなく渡すようにしましょう。そのうえで、委託先に提案をしてもらうと、ギャップも少なくなります。
③修正に予想以上に手間と時間がかかってしまう
修正に予想以上に手間と時間がかかることもあります。非常に複雑な問題ですが、要員は大きく下記の3つに分けられます。
- 委託先のスキルの問題
- 企画意図がうまく伝わっていない
- 社内で合意形成ができていない
委託先のスキルの問題を回避するには、あらかじめ実績などを提示してもらうこととである程度回避できます。また委託先に企画意図がうまく伝わっていない場合は、目的やターゲットなどの情報をきちんと伝えましょう。
意外にありがちなのが、上がってきた構成案に対して、社内の他部署からツッコミをもらって大量の修正が発生するケースです。これを回避するには、企画提案時などの上流工程で「声の大きい人」を巻き込んでおくことが重要です。後工程になればなるほど、修正の手間が大きくなるので注意しましょう。
④結果的に製品カタログになってしまう
これもありがちなのですが、もっと製品紹介をしてほしいというオーダーを出し続けた結果、最終的にホワイトペーパーが製品カタログとなんら変わらなくなってしまうケースです。ここで重要なのは、ホワイトペーパーをダウンロードする人は、必ずしも「製品情報を求めている人ではない」という点です。
○○のノウハウを知りたいと思ってDLした資料に、一方的に製品情報を紹介しても刺さりません。ホワイトペーパーを作成する際には、ターゲットの求めている情報や解決したい課題をケアしたうえで、自社の製品やサービスを紹介するようにしましょう。
⑤デザインが思い通りに伝わらない
デザイナーに意図がうまく伝わらず、何回も修正依頼を出してしまうケースも少なくありません。チェックする側、修正する側両方の負担が重くなるため避けたいところです。この解決方法は、2つあります。
1つめは、こちらの目的や意図をしっかりと伝えることです。ホワイトペーパーの狙いをしっかりと伝えましょう。2つめはサンプルや参考サイトを明示することです。自社のものでも他社のものでもいいので、このような方向性でと伝えることで、互いの頭のイメージをすりあわせられます。ただし、「まるまるパクらないように」と念のため釘を刺しておきましょう。
3.ホワイトペーパー制作をうまく進める7つのコツ
ホワイトペーパー制作でありがちなトラブルとその解決策について解説してきました。ここであらためてホワイトペーパー制作のコツを整理したいと思います。
①ホワイトペーパー制作の目的を明確にする
ホワイトペーパーを制作する際にはその目的を明確にし、関係部署や委託先と共有しましょう。目的にはリード獲得とリードジェネレーションの2つがあります。
②ターゲットの情報ニーズと読了後の態度変容を明確にする
ホワイトペーパーで解決すべきターゲットの情報ニーズや課題を整理しましょう。読了後の態度変容というのは、「サービスに興味を持ってもらう」「課題を認知してもらう」といったものが挙げられます。ターゲットの検討ステージを一段挙げるための態度変容、と捉えるとわかりやいと思います。
③目的に合わせて目標やKPIを設定する
ホワイトペーパーは作成して終わりではありません。配信した結果、狙い通りの成果が出たのかを測定し、PDCAを回していく必要があります。目標やKPIは狙いによって変える必要があります。たとえば、リードナーチャリングの場合は下記のようなKPIが代表的です。
④編集者やライターに目的を書面で伝える
ホワイトペーパー制作を依頼する際には、外部、社内を問わず目的やターゲットなどの情報をExcelやWordなどの書面で伝えましょう。そうすることで、提案時のギャップを減らせます。
⑤他社資料や過去の自社資料など、サンプルで期待値コントロール
デザイン全般についていえることですが「かっこよく」とか「スタイリッシュに」など、言葉だけでデザインの方向性を伝えるのはお勧めしません。同じ言葉でも人によって捉え方が異なるからです。サンプルを用意することで、具体的なイメージで方向性を伝えられます。これは依頼側だけでなく、提案する側にも求められるスキルだと思います。
⑥スケジュールにはバッファを持たせる
これまで述べてきたとおり、ホワイトペーパー制作ではさまざまな理由で思った以上に時間がかかるケースもあります。多少余裕を持たせたスケジュールにしておくと、想定外の方針転換等にも柔軟に対応できます。作るべきホワイトペーパーが明確な場合をのぞき、突貫で制作することはお勧めしません。プロモーションスケジュールから逆算し、早めに依頼することをお勧めします。
⑦営業資料ではないことを強調する
ホワイトペーパーは営業資料や製品カタログではありません。コンテンツマーケティング全般にいえることですが、ここを押さえておかないとうまくいきません。あくまでターゲットの課題を解決するためのコンテンツであることを強く意識するようにしましょう。
4.コンテンツマーケティングのポイントは「狙い」を明確にすること
ホワイトペーパーでもオウンドメディアでも同様ですが、コンテンツマーケティングのポイントは「狙い」を明確にすることです。ターゲットの求める情報と自社が伝えたいメッセージをうまく融合させる必要があります。どのステージのターゲットにリーチしたいのか、そのターゲットが求めている情報、解決したい課題は何か、それをきちんと整理するようにしましょう。
5.ファストマーケティングのご紹介とPR
最後に私のPRをさせてください。ファストマーケティングはフリーランスとして企業のコンテンツマーケティングを支援しています。お客様の商材への理解と、顧客への理解を深め、成果を出せるよう伴走してきます。支援内容や実績の一部は下記からダウンロードいただけます。
また、Twitterでも情報発信をしていますので、よかったらフォローをお願いいたします。
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BtoBに特化した伴走型コンテンツマーケター。残りの半生はひたすらコンテンツづくりをしようと思い立ち独立。京都出身。営業→Webディレ→SEOコンサル→事業会社でBtoBマーケ→フリーランス。特技はギター弾き語り。好きな映画はスタンドバイミー。ビッグフィッシュ。Twitterではコンテンツマーケティングや育児、日常などをつぶやいています。