日米比較でみる、コンテンツマーケティングの最新動向レポート~社内体制・コスト意識・KPI・成果の違いが明白に~

2024年3月23日

前回のコンテンツマーケティングに関する調査では、加速する日本のコンテンツマーケティングの取り組みについて、BtoB/BtoCに分けて考察しました。

今回はコンテンツマーケティングの取り組みで先を行く、アメリカとの比較です。アメリカでコンテンツマーケティングに取り組んでいると回答した方に、日本と同様の調査を実施。差分を比較し考察してみました。

調査結果サマリー

日本はデジタル中心の一方、アメリカはリアルイベントとPRに重点

日本はデジタル中心の一方、アメリカはリアルイベントとPRに重点

コンテンツマーケティングの取り組みについて聞きました。日本の回答トップ3は、「SNS」50.4%、「動画」44.6%、「メールマガジン」39.2%でした。
これに対してアメリカのトップ3は、「イベント、カンファレンス」40.7%、「PR」35.6%、「インタビュー、対談記事」33.9%でした。
日本はデジタル中心の施策に重点を置いている一方、アメリカではリアルイベントやPRといった、顧客との関係性構築やブランディングに関連性が高い施策が上位となりました。

コンマケの月額予算。アメリカの最多は「10,000ドル〜50,000ドル未満」。ボリュームゾーンは日本より高額に

コンマケの月額予算。アメリカの最多は「10,000ドル〜50,000ドル未満」。ボリュームゾーンは日本より高額に

コンテンツマーケティングの月額予算について聞きました。日本では「~10万円未満」が20.8%で最も多く、次いで「100万円~500万円未満」が20.0%となりました。また、100万円以上かけている企業の割合は、合計で46.2%でした。
一方、アメリカでは「10,000ドル〜50,000ドル未満」が25.4%で最も多く、「5,000ドル〜10,000ドル未満」が23.7%で続きました。
10,000ドル以上の予算をかけている企業の割合を合算すると5割にも上り、日本と比較するとボリュームゾーンは高額という結果になりました。

  • 【参考】1ドルを148.50円で換算した金額
  • 〜1,000ドル未満 〜148,499円未満
  • 1,000ドル〜5,000ドル未満 148,499円〜742,495円未満
  • 5,000ドル〜10,000ドル未満 742,495円〜1484,990円未満
  • 10,000ドル〜50,000ドル未満 1,484,990円〜7,424,950円未満
  • 50,000ドル〜100,000ドル未満 7,424,950円〜14,849,900円未満
  • 100,000ドル以上 14,849,900円以上
    ※2/5時点の為替レートをもとに記載

アメリカで進む完全内製化。「全て内製」が日本よりも11.7ポイント高い結果に

アメリカで進む完全内製化。「全て内製」が日本よりも11.7ポイント高い結果に

勤め先でのコンテンツマーケティング体制について聞いたところ、日本では最多回答が「内製と外注が半々程度」で35.0%でした。「全て内製」と「ほぼ内製で一部外注」を合計すると48.8%になり、約半数の企業が自社内にコンテンツマーケティングの体制を持っていることが判明しました。
アメリカでは、「全て内製」と「内製と外注が半々程度」がともに30.5%で最多回答でしたが、「全て内製」という回答が日本と比べて11.7ポイント高い結果になりました。
欧米でのコンテンツマーケティングは、日本よりも2〜3年進んでいるといわれます。アメリカの企業では、コンテンツマーケティングの戦略をクイックに実行し高い成果を出すために、社内での体制構築を進めていると推察されます。

アメリカでは「高い専門性」に「低いコスト」が続き、コスト意識の高さが顕著

アメリカでは「高い専門性」に「低いコスト」が続き、コスト意識の高さが顕著


③で「全て内製」以外を選択した方に、コンテンツマーケティングの外部パートナーに求める要素について聞きました。日本の回答トップ3は「高い専門性」32.8%、「柔軟な対応」30.8%、「豊富な実績」28.2%でした。
一方アメリカでは、最多回答が「高い専門性」で41.5%、続いて「低いコスト」36.6%、「自社への理解度」31.7%となりました。日本で2位にランクインした「柔軟な対応」は、アメリカでは最下位という結果に
日本と比較して、アメリカでは「柔軟な対応」よりも「低いコスト」を優先する傾向があり、コストパフォーマンス意識の高さが顕著に表れています

アメリカでは売上・利益への貢献を重視。KPIのトップ3は「コンテンツ経由の売上金額」「リード獲得単価(CPA)」「コンテンツ経由の利益額」

アメリカでは売上・利益への貢献を重視。KPIのトップ3は「コンテンツ経由の売上金額」「リード獲得単価(CPA)」「コンテンツ経由の利益額」


コンテンツマーケティングのKPIについて優先順位の高いものを3つまで聞きました。日本の回答トップ3は、「Webへのアクセス数」21.3%、「顧客獲得単価(CPO)」19.6%、「獲得リード数」19.2%でした。
これに対しアメリカの回答トップ3は、「コンテンツマーケティング経由の売上金額」(23.7%、日本より9.9ポイント+)と「リード獲得単価(CPA)」(23.7%、日本より8.3ポイント+)、「コンテンツマーケティング経由の利益額」(22.0%、日本より8.2ポイント+)という結果になりました。
アメリカでは日本に比べ売上や利益への貢献を測る指標が重視されており、アメリカのコンテンツマーケターが費用対効果に対してシビアな姿勢で向き合っている様子がうかがえます。

その他の調査結果

  • 日本と同様、「Google Search Console」がトップ。生成AIの活用率は日本より約10ポイント高く、利用が進む
  • 日本では8割弱、アメリカでは9割弱の企業が成果を実感
  • アメリカでは「顧客との関係性強化」が最多、「売上増」「認知獲得」が続く
  • 「コンテンツ評価が十分できていない」 「リソース不足」は日米の共通課題
  • 生成AI、アメリカでは「画像作成・編集」「記事校正」「リサーチ・情報収集」がトップ3に
  • 生成AIの課題、アメリカのトップ3は、「著作権侵害リスク」「ルールの不明確さ」「プロンプト管理の属人化」
  • 生成AIを「全面的に活用したい」日本よりも18.8ポイント+。積極的な姿勢がみられる
  • コンマケにかける予算、アメリカでは「2023年と同等」が最多。約半数が増額する一方、約2割は減額も

本調査概要

  • 調査対象:事前のスクリーニング調査で、コンテンツマーケティングの取り組みを行っていると回答した会社員
  • 回答者数:日本 240名 / アメリカ 59名
  • 調査期間:2024年1月5日(金)~1月16日(火)
  • 調査方法:インターネット調査(サーベロイド)・ファストマーケティングにて実施

【コンテンツマーケティングに関する実態調査2024】②日米比較編 概要
ファストマーケティング株式会社は、ネットリサーチを利用して実施した【コンテンツマーケティングに関する実態調査2024】②日米比較編の結果を発表します。本調査は、事前の調査でコンテンツマーケティングの取り組みを行っていると回答した経営者・役員・会社員、240名(日本)と59名(アメリカ)を対象にしています。
また、集計データとしてまとめた全21ページの調査結果レポートを、ファストマーケティングの自主調査レポートページ(https://fastmarketing-pro-7374649.hs-sites.com/contentsmarketing-research-2024-3)から、無料でダウンロード提供します。

今回調査した設問項目

  • ①コンテンツマーケティングの取り組み
  • ②月額予算
  • ③体制
  • ④外部パートナーに求めるもの
  • ⑤使用しているツール
  • ⑥KPI
  • ⑦成果が得られたか
  • ⑧取り組みの成果
  • ⑨課題
  • ⑩生成AIの活用状況
  • ⑪生成AI活用における課題
  • ⑫今後の生成AI活用の意向
  • ⑬2024年の月額予算

調査レポート無料ダウンロード