経営視点での伴走支援。制作して終わりではなくその後の活用まで見据えた伴走型ホワイトペーパー制作が紡いだ成果とは

自動車販売業界に向けて販促用品やクラウドツールを提供することで、売り場づくりを支援する株式会社イプラ様。店舗装飾やPOP制作、女性向けカー用品ブランドの展開に加え、近年ではクラウドで自動車販売店の売り場用POP(プライスボードなど)を作成できる「エアプラ」の開発・提供など、業界のデジタル化にも注力されています。

同社は、営業やセミナーで活用できる信頼性のあるエビデンスの必要性を感じ、ホワイトペーパーと調査レポートの制作を当社(株式会社ファストマーケテイング)にご依頼いただきました。
今回は、その導入の背景や具体的な活用シーン、制作プロセスを通じて得られた効果、今後の展望について、代表取締役・小田泰平様にお話を伺いました。
| 企業名 | 株式会社イプラ(IPLA Inc.) 様 |
| 取材にご協力いただいた方 | 代表取締役 小田泰平 様 |
| 事業概要 | 自動車販売業界向けに販促用品やクラウドサービスを提供。自動車展示場の装飾品やPOPの企画・開発をはじめ、店舗ブランディング用品や女性向けカー用品ブランド「カーキュート」の展開など、多彩な事業を手がける。 また、車のプライスボードやPOPをクラウド上で作成できる「エアプラ」を提供し、業界のデジタル化や業務効率化にも注力。自動車販売店の集客改善に向けたセミナー事業も展開。 |
抱えていた課題
- 自社の強みを客観的に伝えるコンテンツが不足していた
- 情報発信やナーチャリングにホワイトペーパーが役立つということは知っていたが、具体的な手法や進め方などは知らなかった
- 特にセミナーや営業資料で使える、信頼性かつ独自性のあるエビデンスは取得が難しかった
取り組み後の成果
- 独自の調査レポートを、新規事業の市場価値検証や顧客ナーチャリングに活用
- セミナーではエビデンスとして活用し、参加者の反応も良い
- 女性の自動車売り場における購買心理に関するデータは「鉄板」として毎回使用
- 営業や業界団体向けの講演(200人規模)でもデータを活用。エビデンスに基づいた提案がしやすくなった
専門用語を「伝わる価値」に変える。売り場支援クラウドサービスによる顧客体験の向上

──まず、貴社のビジネスについて、特徴や強みをお聞かせください。
小田様:
当社は、車業界向けの売り場支援クラウドサービス「エアプラ」を展開しています。これはクラウド上でプライスボードやPOPを作成できるツールで、コンサルティングではなく「現場で使える仕組み」を月額課金制で提供しているのが特徴です。
車の販売現場では「エコアイドル」や「ヒルアシストコントロール」など、業界特有の専門用語が多く、お客様にとっては意味が伝わりにくいことも少なくありません。そうした機能を誰にでもわかる言葉とデザインで表現することで、お客様の理解を助け、販売店での体験価値を高める、それが私たちのサービスとなっています。
「エアプラ」は2011年に無償トライアルとして提供を開始し、わずか数年で約3,000社にご利用いただくまでになりました。2016年にはデザインのバリエーションを大幅に増やしたうえで、有料課金制に移行。現在では、約14,000社の自動車販売店様にご利用いただいています。
サービス発想のきっかけは、2009年に喫茶店で偶然見かけた、お客様とスタッフのスマートなやりとりにありました。スタッフ所有のスマートフォンと店舗レジが連携している光景を目にしたとき、「クラウドを活用すれば、自動車売り場の体験そのものを変えられるのではないか」と感じたのです。
私たちは、POPやプライスボードだけでなく、商談スペースや店内装飾といった空間全体を通じて、お客様にとっての「価値ある体験」をつくり出したいと考えています。
活用まで見据えた提案が魅力に。ゴールまで伴走してくれる安心感が決め手
私たちFMが納品した調査レポートは、リード獲得はもちろん、さまざまな場面で活用されています。尾崎氏は以下──当社にホワイトペーパーの作成をご依頼いただいたきっかけや、当社をお選びいただいた理由についてお聞かせください。
小田様:
もともと、ホワイトペーパーについては、「リードを取るためのツールかな?」という程度の認識しかなく、正直、手探り状態でした。そこでまずは5社〜6社に問い合わせを行い、実際に打ち合わせをしたのは2社〜3社。そのなかで、御社から届いたナーチャリングメールがとても印象的でした。
単なる営業メールではなく、ホワイトペーパーの背景や活用方法などが丁寧に整理されていて、「今、自分が体験していることがまさにナーチャリングだ」と感じたのです。しかも、メールの最後には毎回打ち合わせ用のカレンダーリンクがあり、すぐに打ち合わせの予約ができた点もありがたかったです。
実際にZOOMでお話してみると、「なぜホワイトペーパーを作るのか」「制作後はどのように活用したいのか」といった全体像まで、俯瞰した視点で提案をいただけました。単なる制作ではなく、伴走してくれるパートナーとして信頼できると感じた点が、依頼の決め手になりました。
他社の提案は、プロダクトや価格の説明が中心で、ホワイトペーパーを作ることがゴールのような印象でした。でも、御社のように目的・活用まで視野に入れて提案してくれる存在は、とても心強かったですね。ホワイトペーパー初心者だった私にとって、「ゴールまで導いてくれる安心感」は何より大きかったです。
営業やセミナーで武器となるデータの力。信頼感と納得感を生み出す活用法
──調査レポートの活用方法や効果についてお聞かせください。
小田様:
現在、御社に制作していただいた調査レポートは、主に二つの目的で活用しています。ひとつは、新規事業の市場価値を検証するためのテスト。もうひとつは、既存顧客へのナーチャリングです。
特にセミナーにおいては、定量的なデータを提示することで、参加者からの信頼や納得を得やすくなったと感じています。セミナーの規模はさまざまで、業界団体主催の大規模なものであれば200名ほど、小規模なものでは10名程度まで幅広くあります。リアル開催では、30名〜50名規模が中心です。
インターネットで検索すれば、今はさまざまな調査データが得られますが、「自社がほんとうに顧客に見せたいデータ」は自ら取りに行く必要があります。その点、調査レポートは一次情報としての信頼性が高く、伝えたいことをピンポイントで補足できるため、とても使い勝手が良いです。なかでも「売り場に対する女性の印象」のデータは反響が大きく、セミナーでは毎回活用する鉄板ネタになっています。
中古車販売店では、人手不足や接客スキルの均一化が難しいといった課題があります。そうした現場でも、「どのように見せればお客様の興味を引けるのか」を説明するうえで、データでの裏付けが役立っています。
※1 ナーチャリング: 直訳で「育成」を意味する。見込み顧客(リード)への継続的な情報発信等を通じて、興味・関心を高め、購買や契約といった行動につなげていくマーケティング活動のこと。メール配信やセミナー、ホワイトペーパーの提供などを通じて、段階的に信頼関係を深めていくアプローチを指す。
どこから登ればいいのかを一緒に考える。寄り添う支援が生んだ安心感

──当社についてご評価いただいている点があれば、お聞かせください。[1]
小田様:
御社との取り組みを通じて感じたのは、「経営側の視点に寄り添って支援してくれる」という安心感です。スピード感のある対応で、安心して進められました。
制作過程では調査前出現率※2まで細かく報告してもらえたため、こちらも納得しながら進められてよかったです。「こういう設問だと響きにくいかもしれないですね」「質問の聞き方を変えてみましょうか」といった壁打ちのようなやりとりが何度もありました。最終的なゴールはある程度見据えつつも、仮説の修正や方向転換を柔軟にやり取りしてもらえたため、とてもありがたかったです。
例えるなら、いくつも登山口があるなかで、「どこから登るのが最適か」を一緒にすり合わせながら進めていけたという感覚です。調査レポートの制作過程そのものが、「不安を確信に変えていく」体験になったと思います。
私自身が持っていたアイデアや仮説も、御社との対話を重ねることで徐々に明確になり、形になっていく感覚がありました。伴走型で相談できるパートナーがいることの大切さを、あらためて実感しました。
※2 出現率:アンケート調査などにおいて、母集団に対して特定の条件に合致する回答者がどの程度含まれる(出現する)かを示す割合のこと。調査前の設計段階で出現率を把握することで、調査の実現可能性を事前に確認できる。
「こんな売り場に変えたい」と思わせる。潜在価値を顕在化させる発信
──貴社で取り組んでいるマーケティング手法について、お聞かせください。
小田様:
私たちがマーケティングにおいて大切にしているのは、お客様自身も気づいていない潜在的な価値を、顕在化させることです。「ジョハリの窓※3」 の考え方のなかでも、「盲点の窓」を開いていくような取り組みです。自社にとっては当たり前になっていることでも、他社と比べると強みになっている場合があります。そうした価値を引き出すことが、私たちのミッションだと思っています。
その一例が「売り場づくり」の提案です。たとえば、実際に売り場を改善して成果が出た事例を、メルマガやセミナーを通じて積極的に発信しています。単なる「こう変えました」ではなく、「なぜ変えたのか」「変えたことでどのような変化があったのか」といったストーリー性のあるビフォーアフターの共有を意識しています。
こうした具体的な事例があることで、受け手である販売店の方々も「自分たちの売り場も、こんな風に変えてみたい」と想像しやすくなると思うのです。単なる情報提供ではなく、共感や気づきを促すような発信を今後も大切にしていきたいと考えています。
※3 ジョハリの窓 :自己理解や他者理解を深めるための心理学的モデル。自分自身の情報を「自分が知っている/知らない」「他人が知っている/知らない」の2軸で、4つの領域(開放の窓・盲点の窓・秘密の窓・未知の窓)に分類する。ここでいう「盲点の窓」は、自分では気づいていないが、他者には見えている特徴や価値を指す。
生成AIは「指揮棒」を握って活用する。正しいコントロールが不可欠というスタンス

──昨今、生成AIがものすごいスピードで進化しています。御社のビジネスにおける生成AIの影響や懸念点について、お聞かせください。
小田様:
当社でも、生成AIはすでに活用しています。たとえば、提供中のクラウドサービス「エアプラ」では、車両価格などの情報を自動で転記する機能や、画像から情報を読み取る仕組みにAI技術を用いています。
しかし、生成AIの急速な進化に対して、懸念を抱いている部分があるのも事実です。特に、「ハルシネーション(誤情報の生成)」には注意しています。
生成AIが出力する情報は一見正確に見えますが、必ずしも事実とは限りません。そのため、活用においては、オーケストレーション(指揮棒)を人間側が握る姿勢が大事だと考えています。ツールに振り回されるのではなく、「どう使いたいのか」という明確な意図を持ち、きちんとコントロールしながら活用することが不可欠だと思っています。
変わりゆく業界に「新しい武器」を届けたい。意識・知識・ツールで支える未来づくり
小田様:
これからも自動車販売店が持つ潜在的な魅力を、顕在化させることをミッションにしていきます。そのために、売り場支援クラウドサービスの強化はもちろん、新たな取り組みとしてデジタルサイネージを活用した「オート接客」の展開など、接客支援ツールの開発・提供に注力したいと思っています。
特に、今後はサブディーラーのような中小規模店舗が、業界変革の先導役になっていくと考えています。少子化やライフスタイルの多様化など、日本社会全体の構造変化が進むなか、自動車の販売台数も年々減少傾向にあります。これまでのように「大手が引っ張る」「商品力だけで勝手に売れる」という時代ではなくなってきました。
こうした状況だからこそ、業界を変えていくためには、「意識・知識・ツール(武器)」の3つが必要です。私たちは、販売店にその「新しい武器」を届けることを通じて、自動車販売業界全体の活性化に貢献していきたいと考えています。
まとめ|業界を支える挑戦に、確かな視点と戦略を

車の販売現場で使われる専門用語を誰にでも伝わる表現に変え、デザインの力で売り場での体験価値を高めてきた株式会社イプラ様。その根底には、現場を熟知した視点と、気づきを引き出すマーケティングへの姿勢がありました。
ホワイトペーパーや調査レポートも、作るだけでなく「どのように活用して成果につなげるか」までを重視されている点が印象的でした。目的を見失わず、相手の視点に立った丁寧な発信が、業界に新たな価値を生み出しているのだと感じます。
変化の大きいモビリティ業界において、「意識・知識・ツール」の3つを重視し、そのなかでも「ツール=新しい武器」を届けたいというイプラ様のお考えは、これからの業界を支える力になるはずです。イプラ様のさらなる挑戦に、今後も伴走できることを心より楽しみにしております。
ファストマーケティング株式会社では、ホワイトペーパーや調査レポートの制作を通じて、企業の情報発信を成果に結びつけるご支援を行っています。ホワイトペーパーの活用をご検討中の方は、以下のページよりお気軽にご相談ください。
活用までを見据えたコンテンツ制作を伴走支援。



