【第2章】営業×マーケ連携で受注達成率に3倍の差|BtoBマーケ実態調査2026
2026年5月、ファストマーケティング株式会社は432名を対象に「BtoBマーケティングに関する実態調査」を実施しました。その結果を3回に分けてお伝えしており、本記事は2本目です。
| <第1章の概要をおさらい> 「アクセス数や問い合わせ数は増えているものの、受注につながらない」と6割以上の企業が感じている多くの企業がサイトアクセス数や問い合わせ数など「入口」の指標を重視する一方で、受注やLTVといった「出口」の指標まで十分に追えていない 関連リンク:1本目の記事 |
第2章では、営業とマーケティングの連携が受注目標の達成にどのような影響を与えているのかを、調査結果から明らかにします。また、リード管理や失注顧客への対応など、多くの企業に共通する課題についても解説します。
営業とマーケティングの成果を高めるヒントが詰まった内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
なお、本調査はフォームの入力不要で無料でダウンロードが可能です。以下のリンクよりぜひご利用ください。
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営業とマーケティングが連携する仕組みがある企業ほど、受注目標を達成
ここでは、次の3つの要素をそれぞれ0〜2点の3段階で採点し、合計した「連携成熟度スコア(0〜6点)」を算出※しました。
- 営業へのリード引き渡し基準
- 営業とマーケティングの定例振り返り
- 営業結果の共有

連携成熟度スコアと新規受注の目標達成率との関係を見ると、スコアが高くなるほど達成率も上がることがわかりました。
「0点」の企業の達成率は25.4%であるのに対し、「6点」の企業は85.4%が目標を上回る・目標通りの結果となり、大きな差が開いています。
この結果は相関関係であって因果関係とまでは言い切れません。しかし、60ポイント・約3倍もの差は、無視できないほどのインパクトがあるといえるでしょう。
※連携成熟度スコアの算出方法
| 項目 | 2点 | 1点 | 0点 |
| 引き渡し基準 | 明確な基準があり運用 | 整備中・原則全件引き渡し | それ以外 |
| 定例の振り返り | 週1回以上・月1〜2回 | 四半期・不定期 | 実施せず等 |
| 営業結果の共有 | 受注失注理由まで・商談有無まで共有 | 対応有無・重要客のみ | それ以外 |
連携の中でも成果を分けたのは「定例の振り返り」

ここでは、「営業へのリード引き渡し基準」「営業とマーケティングの定例振り返り」「営業結果の共有」の3つの要素のうち、2つ目の「定例振り返り」に着目しました。
「週1回以上」の振り返りを定期的に行っている企業は、受注達成率だけでなくマーケティング施策の満足率も85%という結果となっています。一方、「実施していない」企業では、受注達成率は27%、満足率は13%と、いずれも比較的低い割合にとどまっています。
実態として、営業とマーケティングは別々で機能している会社は少なくありません。今回の調査でも「兼任」と回答した割合も一定数あったことから、自社の活動を客観的に評価できていないパターンも多かったのだと考えられます。
兼任体制の場合、上長やサポートなど関連部署とミーティングの場を設けるのも有効な方法です。特別な準備は必要なく取り入れやすい手段であるため、ぜひ試してみてください。
各企業が重視している施策と成果の相関関係は見られず
今回の調査を実施する前に、当社は「Web広告やSEOなどに積極的に取り組む企業が成果を出している」という仮説を持っていました。しかし、実際には実施施策の内容と成果の間に、相関関係は見られませんでした。
また、最も重視する施策は業種ごとに異なっていることもわかりました。
| 業種 | 最も重視する施策 |
| 製造業 | SNS発信 |
| IT・ソフトウェア・SaaS | 検索・ディスプレイ広告 |
| 建設・不動産 | YouTube運営 |
| 金融・保険 | 営業とマーケの振り返り |
| 通信・インターネット関連 | SNS発信 |
| その他の法人向けサービス | 特に重視なし |
| 物流・運輸 | SNS発信 |
| 人材・採用支援 | 検索・ディスプレイ広告 |
| 医療・介護・福祉関連 | SNS発信 |
ただし、相関関係が見られなかったからといって、施策そのものが無意味というわけではありません。重要なのは「どの施策が正解か」ではなく、「自社の業種ではどの施策が重視されているか」を把握することです。
上記の表を参考に、まずは自社の傾向を掴むことが大切です。本調査で明らかになった業種別の傾向については、第3章で解説します。
関連リンク:3本目の記事
調査で見えた企業の課題
今回の調査で見えてきた、企業の課題を紹介します。
半数近くの企業が獲得したリードの3割以上を放置

本調査では、せっかく獲得した見込み客を放置しているケースが見られました。
獲得はしたものの、商談に至らず継続フォローもできていない見込み客が「3割以上いる」と答えた企業の合計は46.3%にのぼりました。こうした企業ではリードを適切にフォローできておらず、機会損失が生じていると考えられます。
失注・休眠顧客に再アプローチしていない企業ほど受注達成率が低い

続いて、失注・休眠顧客へのアプローチ状況について伺いました。
失注・休眠顧客をリスト化し、四半期・半年ごとなど「定期的に再アプローチ」している企業の受注達成率は83.6%で8割以上となりました。一方で、「営業担当の判断任せ」は40.7%、「ほとんど再アプローチしていない」企業の割合は14.3%にとどまっています。
この結果から、失注・休眠顧客への継続的なフォロー体制を整えている企業ほど、受注につながりやすい状況があると推察されます。
BtoB商材・サービスの検討期間はBtoCよりも長くなる傾向です。そのため、一度失注したとしても、タイミングが変われば受注につながる可能性があります。一度きりのアプローチで終わらせず、継続的に接点を持つ仕組みを整えることが、受注につながる重要な要素だと考えられます。
明確な引き渡し基準がない企業の受注達成率は約2割

続いて、リードを営業へ引き渡す基準の有無と受注達成率の関係について調査しました。
リードを営業へ引き渡す「明確な基準があり運用している」企業の受注達成率は84.6%で8割以上にのぼりました。一方、「基準なし(担当者任せ)」は51.9%、「引き渡し運用を行っていない」は26.1%にとどまっています。
この結果から、営業へリードを引き渡す基準や運用を明確に整備することが、受注成果につながる重要な要素であると推察されます。
一般的なBtoBマーケティングでは、次のような流れで見込み顧客が育成され、受注に至ります。

しかし、引き渡し基準や運用ルールが明確でない企業では、営業担当者がリードを抱えたまま属人的に管理してしまうケースも少なくありません。例えば、次のような状況です。
- 「今はタイミングが合わない」「予算がない」といった理由で商談化しなかったリードを、そのまま営業担当者が保有し続ける
- 十分なフォローが行われないまま、1〜2年にわたって休眠状態になってしまう
そこで有効となるのが、次のようなルール設計です。
- 商談後3か月間動きがなければ失注扱いとし、マーケティングへ戻す
- マーケティング部門がメルマガやセミナーなどを通じて継続的に接点を持つ
- 再び商談化の可能性が高まったタイミングで、営業へ引き渡す
BtoBでは検討期間が比較的長く、一度失注した見込み顧客でも、タイミングが変われば受注につながる可能性があります。そのため、営業担当者だけに任せるのではなく、営業とマーケティング部門が役割を分担しながらリードを循環させる運用が、受注機会を逃さないポイントとなるでしょう。
約6割が「営業とマーケティングに認識のズレがある」と回答

ここでは、見込み顧客に関する営業とマーケティングの認識について伺いました。
見込み客の質について営業とマーケティングで認識のズレが「よくある」(14.4%)、「ときどきある」(43.8%)と回答した企業の合計は 58.2%にのぼり、おおよそ3社中2社という結果になりました。
一方、認識のズレは「まったくない」と回答した企業はわずか5.8%にとどまっています。
営業とマーケティングで「自社にとってどのような見込み顧客が理想なのか」という共通認識がないままでは、マーケティング部門が獲得したリードを営業へ引き渡しても、受注につながりにくくなります。具体的には、次のようなケースです。
- マーケティング部門では広告やコンテンツ施策によってCPA(顧客獲得単価)が改善し、リード獲得数が増えた
- しかし、営業部門では商談につながる見込み顧客が少なく、アポイント数が伸びない
こうした認識のズレを解消するためには、「どのようなリードを営業へ引き渡すのか」という基準を明確にし、営業とマーケティングで定期的に成果を振り返ることが重要です。
基準の策定・情報共有・定例ミーティングといった仕組みを整えることが、営業とマーケティングの連携を強化し、成果をもたらす体制づくりにつながるでしょう。
まとめ|特別な施策よりも、営業×マーケティングの連携が大きな差を生む
今回は、「BtoBマーケティングに関する実態調査2026」の第2章として、連携成熟度スコアと受注達成率の関係や、営業とマーケティング間で起こりがちな課題について解説しました。
連携成熟度スコアが高い企業ほど新規受注の目標達成率も高く、特に「定例の振り返り」を実施している企業では、達成率・満足率ともに大きな差が見られました。また、獲得したリードの放置、失注・休眠顧客への再アプローチ不足、引き渡し基準の曖昧さなど、多くの企業に共通する課題も明らかになっています。
こうした課題に対しては、振り返りができていないのであれば、そこから始めてみるのが第一歩です。マーケティングと営業で定期的な振り返りの場を設けることが、連携強化の土台となり得ます。
そのうえで、「失注基準を作る」「リードに関する認識のズレを一致させる」といった取り組みにも着手するとよいでしょう。大きなコストをかけず始められるため、可能であればぜひ挑戦してみてください。
もちろん、広告に予算をかければ一定の成果は見込めます。しかし、それが「受注につながるか」という視点を持って施策に取り組む必要があります。つまり、重要なのは連携の仕組みづくりです。マーケティングと営業の歯車が合った状態になった段階で、アクセルを踏むべきだといえるでしょう。
最終回となる第3章では、業種ごとの違いと、最近よく話題にあがるAI検索への対応について紹介します。
関連リンク:
【第3章】8割超がAI検索に関心はあるが、着手済は2割以下|BtoBマーケ実態調査2026
なお、本調査レポートはフォームを入力することなくダウンロード可能です。以下のリンクから詳しい内容をぜひご覧ください。
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