サービス紹介には記載されない価値を言葉に。導入事例取材が引き出した「マーケDX」のリアル
資料請求サイトやセミナー集客サービスなどで獲得したリード情報を、MA・SFA・CRMツールへ自動で連携する「Lead Brizzy」を提供する株式会社Brizzy様。約20サービスと連携し、リードのインポート業務を自動化することで、50社以上のマーケティングやインサイドセールスの実務を支えています。「リードオーケストレーション」という言葉が広まる前からこの領域に取り組んできた、先駆けともいえる存在です。

同社は、プロダクトの価値をより深く、より広く伝えるための手段として導入事例記事の強化を決め、その制作を当社(ファストマーケティング株式会社)にご依頼いただきました。現在も継続的に複数本の事例記事を制作しています。
今回は、導入事例に力を入れることにした背景や当社をお選びいただいた理由、実際の活用シーンと効果、そして今後の展望について、代表取締役・土山晋也様にお話を伺いました。
| 企業名 | 株式会社Brizzy 様 |
| 取材にご協力いただいた方 | 代表取締役 土山 晋也 様 |
| 事業概要 | 資料請求サイトやセミナー集客サービスとMA・SFA・CRMツールを連携し、獲得したリード情報を自動で連携するサービス「Lead Brizzy」を開発・提供。20を超えるサービスとの連携に対応し、展示会で獲得した名刺のスキャンにも対応する。 あわせて、マーケティングコンサルティングやMAの導入・運用支援、Marketo Engageとkintoneを双方向連携するプラグインの開発・提供も手がける。2019年8月創業。 |
抱えていた課題
- 中堅・バーティカル領域のSaaSとは、検索で出会いにくい
- 機能説明では工数削減に寄らざるを得ず、多面的な効能が伝わりにくい
- 事例の価値は理解していたが、社内リソースでは形にしにくかった
- 実績やセキュリティ面で「安心感」を示す材料が不足していた
取り組み後の成果
- 商談中の共有や事前送付、会社案内など複数の接点で活用
- ロゴと事例の掲載が、信頼感とセキュリティ面の安心感につながっている
- 顧客のマーケティングが変わったという変化まで言語化できた
- 一定品質の事例を、安定的かつ継続的に掲載できるようになった
マーケターの業務を止めない。散在するリードを整えてつなぐ「Lead Brizzy」

──まず、貴社の事業とプロダクトについてお聞かせください。
土山様:
当社は「Lead Brizzy」というSaaSを提供しています。資料請求サイトや比較サイトなど、複数のチャネルで獲得したリード情報を、SalesforceやHubSpot、Marketo Engage、Eloquaといったツールへ自動で連携するサービスです。現在は約20サービスとの連携に対応しており、今後も随時増やしていきます。イベント管理ツールとの連携や、展示会で獲得した名刺のスキャンにも対応しています。
近年は「リードオーケストレーション※1」という言葉を耳にする機会が増えましたが、当社はその言葉が定着する前からこの領域に取り組んできました。先駆けとして積み上げてきた実績があると自負しています。
強みとしては、連携する媒体一社一社から許可をいただいたうえでつないでいる点です。RPAなどで自動化する方法もありますが、媒体側の許諾を得ていない場合、仕様変更などをきっかけに止まってしまうことがあります。当社は媒体社様と調整をしたうえで連携しているので、仕様変更があった際にも連携停止期間を最小限にとどめることができます。
もうひとつの事業として、マーケティングコンサルティングやMAやCRMの導入・運用支援も行っています。私自身、以前にMAのベンダーに在籍していた経験があり、マーケティングの知見と技術的な知見の両方を持ち合わせています。MAを本当に活用しようとすると、データベースの設計や他システムとの連携といった技術的な支援が不可欠です。そうした支援の現場で得た知見は、Lead Brizzyの改善にも生かされています。
※1 リードオーケストレーション:複数のチャネルから獲得した見込み顧客(リード)の情報を、重複や表記ゆれを整理したうえで、MA・SFA・CRMなど適切なツールへ適切なタイミングで連携し、その後のフォローまでを一連の流れとして設計・自動化する考え方やその仕組み。
「工数削減」の先にある価値を、どう伝えるか。導入事例を強化した理由
──導入事例記事を強化しようと思われた背景についてお聞かせください。
土山様:
サービスサイトでは、Lead Brizzyを「インポート業務の工数をゼロにし、リードへのフォロータイミングの最適化に貢献するツール」と説明しています。間違ってはいないのですが、機能を説明しようとすると、どうしても訴求は工数削減に寄らざるを得ません。これは当社に限った話ではなく、ツールベンダーの多くが直面していることだと思います。
しかし、実際にご利用いただいているお客様のお話を伺うと、効能はもっと多面的です。取材をしてみると「マーケティングと営業組織のコミュニケーションが変わった」「顧客ともっと向き合えるようになった」といった話が出てきます。これまで手作業に費やしていた時間を、創造的な業務やコア業務に振り向けられるようになる。いわばマーケティングのDXが起きているわけです。こうした変化は機能一覧では表現できませんし、事例という形でなければ伝わりません。
もうひとつ、届けたい相手の問題もあります。おかげさまで、SaaSのトップランナーと呼ばれる企業の多くには、Lead Brizzyをご利用いただいています。次に広げていきたいのは、バーティカル領域のSaaSなどです。ただ、この層は「リード連携ツールを探そう」と検索してくださる方ばかりではではありません。そもそも検索から入ってこないので、展示会やDM、アウトバウンドコールといった接点が中心になります。だからこそ、その場で手渡せる素材として、価値がきちんと伝わる事例が必要でした。
内製は考えなかった。決め手は「話を引き出す力」とサービス理解の姿勢
──当社に導入事例記事の制作をご依頼いただいた理由についてお聞かせください。内製はご検討されなかったのでしょうか。
土山様:
内製はあまり検討しませんでした。というのも、事例記事の質を左右するのは、書く力よりも取材で話を引き出す力だと考えているからです。お客様ご自身もまだ言語化できていない変化を、対話のなかから引き出していただく。これは社内の人間がやろうとすると、どうしても難しい部分です。
御社とお話しするなかで、率直に「話を引き出すのが得意だな」と感じました。加えて、当社のサービスを理解しようとする姿勢や、技術的なところまでキャッチアップしてくださる点も大きかったです。
私たちの領域は、MAやCRM、データ連携といった前提知識がないと、お客様のお話の意味が分からないまま終わってしまいます。そこを理解したうえで質問してもらえるかどうかは、記事の深さに直結すると思っています。
一緒に客先へ行きやすい。技術への理解もある、安心して任せられるパートナー
──当社についてご評価いただいている点があれば、お聞かせください。
土山様:
まず、一緒にお客様のところへ行きやすいという点です。取材は当社のお客様にお時間をいただいて実施するものですから、同席する方がどんな人かはとても重要です。代表の峯林さんは落ち着いていて、やわらかい雰囲気があります。当社としても比較的落ち着いた印象を出したいと考えているので、そのトーンが合っていると感じました。
先ほども触れましたが、技術的なところをキャッチアップしてくださるのもありがたい点です。専門用語が飛び交う場面でも話が止まりませんし、お客様側も安心して話してくださいます。
制作の過程では、こちらからの修正にも柔軟に対応いただいています。単に直すだけでなく、指摘した内容を吸収して次に活かしてくださるので、回を重ねるごとにやりとりが楽になっていく感覚があります。挿入する画像のラフまで提示していただけるので、こちらで考える負担も少なくて済んでいます。
商談中に共有し、会社案内にも載せる。信頼感を先回りして届ける事例の使い方
──制作した導入事例の活用方法と、感じておられる効果についてお聞かせください。
土山様:
商談の場でご案内することがあります。商談中に「こういう事例があります」とお伝えしたり、その後のフォローで共有したり。逆に、打ち合わせの前にあらかじめ事例をお送りしておくこともあります。会社案内にも掲載していますし、今後はメルマガでの配信も考えています。
効果として一番感じているのは、信頼感です。当社のようなツールは、お客様の大切なリード情報を連携することになるので、セキュリティ面での安心感が欠かせません。導入企業のロゴをお見せするだけでも効果はありますが、そこに事例記事があると「実際にこう使われている」という具体像が伝わり、安心感が一段深まります。
もうひとつ、AI検索への対策という側面もあります。生成AIが情報源として参照するのは、内容がしっかりと書かれた記事です。事例記事を継続的に積み上げていくことは、こうした環境の変化への備えにもなると考えています。
そして、これは制作をお願いしているからこその効果ですが、一定の品質の事例を安定的かつ継続的に掲載できるようになりました。社内のリソースだけで進めていたら、おそらく本数も品質も安定しなかったと思います。
目指すのはリードの「関所」。構造化されたデータが、AI時代の打ち手を広げる

──今後の展望と、リード獲得やその後の対応に課題を感じている企業へのメッセージをお聞かせください。
土山様:
現在の連携先は、SaaS企業が利用している比較サイトが中心です。今後は製造業向けなどのバーティカルな媒体にも広げていきたいと考えています。また、展示会で獲得した名刺やブースでヒアリング情報を連携できる機能など、オフライン施策との連携も、さらに強化していく予定です。
目指しているのは、リードにとっての「関所」のような存在です。Lead BrizzyからCRMへ登録されるリードデータはすべて正規化されていて、そのまま使える状態になっている。データが正規化されていれば、AIでも活用しやすくなります。単発のキャンペーンでリードが一気に集まったときも、整った状態で入ってくるので、フォローなど次の施策をすぐに打てるようになります。
そして、CRMがうまく回らない、データ連携が進まないという課題は、マーケティング部門だけでは解けないことが多いです。情報システム部門との対話が必要になりますし、データ基盤そのものを考える必要も出てきます。近年はMOps※2という考え方が広がってきていますが、マーケティングや営業の観点とシステムの観点、その両方を持って動ける存在が求められているのだと思います。私たちは、その両方に伴走できる会社でありたいと考えています。
※2 MOps(マーケティングオペレーションズ):Marketing Operationsの略。マーケティング活動を支えるツール・データ・業務プロセスを設計し、部門横断で運用していく機能や役割のこと。MAやCRMの運用設計、データ整備、効果測定の基盤づくりなどを担い、マーケティングと営業、情報システムをつなぐ役割を果たす。
まとめ|サービス概要や機能紹介には書けない、価値を伝える

複数のチャネルに散らばるリード情報を整え、必要なツールへ確実に届ける。株式会社Brizzy様が「リードオーケストレーション」という言葉の定着以前から取り組んでこられたその仕事は、マーケターの業務を止めないという一点において、きわめて実務的な価値を持っています。媒体一社一社から許可を得て連携するという地道な積み重ねが、その土台にありました。
一方で、機能を説明しようとすれば、訴求はどうしても工数削減に寄ってしまう。これはツールを提供する多くの企業に共通する構造です。土山様が導入事例に力を入れられたのは、その先にある「コミュニケーションが変わった」「働き方が変わった」という変化を、お客様の言葉で伝えるためでした。
サービス概要や機能紹介には書けない価値を引き出し、伝わる形にしていく。それが導入事例記事の役割であり、私たちが担わせていただいている部分でもあります。整ったデータがAI時代の打ち手を広げていくように、整った言葉は企業の価値を、届くべき相手に届く形へと変えていきます。Brizzy様のこれからの挑戦にも、引き続き伴走できることを心より楽しみにしております。
ファストマーケティング株式会社では、取材から制作、その後の活用までを見据えた導入事例記事の制作をご支援しています。導入事例の強化をご検討中の方は、以下のページよりお気軽にご相談ください。
記事中で紹介したLead Brizzyについて詳しくはこちら
機能では伝わらない価値を、お客様の言葉で。